2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

江角マキコ『燃えるゴミ』(1997 角川書店)

これまでの江角をモデルにした写真(篠山紀信など)に、彼女の「燃えるゴミ」という「独り言のようにノートに書き、人と向き合うことから逃げて」いたことばを集めたもの。江角なら、もっとおかしなことを書いててもいいのに、意外とまとも(笑) 父親を突然亡…

アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言 / 溶ける魚』

シュルレアリスムって、いくら歳をとったからってわかるもんでもないらしいw 新聞などから適当に言葉を切り抜いてきて、それをアットランダムに並べ替えてみる。と聞いて、自分でもやってみたことがある。30年も前の大学生の頃に。すっかり『ダダ宣言』だと…

花輪和一『朱雀門』

胸におダニ様を飼い育てる『崇親院日記』や、尻に尻狗が取り憑いた『狗尻』、この突拍子もない発想は花輪をおいてほかにないだろ。それがまことしやかに語って(描いて)しまうのが、これまた花輪ならでこそ。どこかでにやっと笑ってしまってるのだけれど、「…

チャールズ・ブコウスキー『ブコウスキーの酔いどれ紀行』

ブコウスキーはハチャメチャでおもろいという話は聞いていた。前からなんか読もうと思っていた。で、手に取ってしまったのがこの『酔いどれ紀行』。たぶんブコウスキーで最初に読むべき本ではないのかもしれない。 もっともっと難解きわまりないのかと予想し…

丸尾末広『笑う吸血鬼2 ハライソ』

2003年のヤングチャンピオンに13回にわたって連載したのを1冊にまとめた。B5サイズででかいからね、迫力満点。吸血鬼譚だから、推してしるべし。決して良い子は見てはいけませぬ。 12章のクライマックスで、10月の桜の狂い咲きから、一転、焼け跡を連想させ…

団鬼六『不貞の季節』

廣木隆一監督で大杉漣主演の映画『不貞の季節』の原作。 団鬼六の自伝小説ではあるが、どこまで本当だかどうだか。妻が自分の部下と不倫してしまって、それをその部下自身から聞かされる。聞くことによって、自分自身をサディスティックに責めていく自虐性。…

団鬼六『美少年』

『不貞の季節』『美少年』『鹿の園』『妖花―あるポルノ女優伝』の4編、私小説からなる (1997 新潮社)

甲斐扶佐義『ぼくの散歩帖 地図のない京都』(1992 径書房)

この前、京都出町柳のほんやら洞に行ったとき、たまたま甲斐さんが居合わせた。ちょうど一緒に行った猫好きの彼女に甲斐さんの『猫ノ泉』をプレゼントしたところだったので、「サインしてもらい」と勧めた。 甲斐さんに「サインお願いします」と頼むと、彼は…