2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

綿矢りさ『インストール』

綿矢りさが『殴りたい背中』で芥川賞をもらうまで、その存在なんか知りませんでした。その彼女のデビュー作。去年あたりの作品かと思ったら、2001年、17歳のときの作品。しかも文藝賞も受賞してる。約3年ちょいで、なんと42刷。どこでいつの間にか売れて…

太宰治『斜陽』(1947「新潮」)

いまさらながらの『斜陽』なんだけどね、初めて16歳の時に読んでから、もうすでに太宰の齢を越えて生きてしまったいま読むことの、自分にとっての差異が興味深かった。 16歳の時、ボクは入院中で消灯時間など無視して一晩で読み切ってしまったのだった。その…

辻邦生/小瀧達郎『私の二都物語?東京・パリ』

辻邦生は、一度読んでみなければと思いつつ、いまだかつて読んだことがなくて、何とも言えないのだが、堀江敏幸と同様にいまいちいいのかどうだかよくわからない。文章が難解という意味ではなくて、むしろこの『私の二都物語?東京・パリ』は平易だよな。 彼…

堀江敏幸『いつか王子駅で』

うーん、これもねぇ。前半は1999年「書斎の競馬」という雑誌に連載されたという。だからか、競馬の話に移り変わっていくのだけれど、競馬に関して、ほとんど知らないボクにとってはおもしろいはずがない。話は都電荒川線、とくに町屋駅前から王子駅前の路面…