2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

三島由紀夫『金閣寺』

いまさらボクごときが何をかいわんやなんですけどね、やっぱりこういうのは、中学生や高校生のころにいくら読んだところでわかるわきゃなかった。かつて何をいったいどう読み飛ばしていたんだろと。話の筋そのものは知られすぎるくらい知られているわけで、…

中上健次『鳳仙花』

秋幸の母親フサの十五歳から三十代に至る半生。兄吉広との死別、勝一郎との出会い、出産、死別。また幼い泰造を死なせてしまう。そして浜村龍造との出会い、秋幸の出産と龍造との別れ。繁蔵との出会い.... 三人、兄吉広も含めるなら四人の男の間で激震する女…

森瑶子『砂の家』

なんでも錯覚やんか、人はな自分のこと以外はどうでもええと思うてんねん。な、せやろ、せやけどやなぁ、生きて行こ思うたら、死んだらあかんやないか、ほんま、死んだらえっちもでけへんようになるやろ、生きてたらいつかそのうちえっちできる日も来るねん…

三島由紀夫『禁色』

読むスピードが遅い僕にとっては、読了に一ヶ月近くもかかってしまい、けっこうきつかった。でもこういうのこそじっくり読まないといかんよなぁ。斜め読みなんてもったいなくて。きついことはきついが、やっぱり三島の浪漫のエネルギーはすごい。「『禁色』…

筒井康隆『ロートレック荘事件』

史上最低の推理小説 はっきり言ってこんなのは推理小説じゃないな。読者を小バカにするにも程がある。推理小説じゃなかったら、ミステリーかといって、こんなミステリーだったら、そこらの印税生活志望の兄ちゃんにも楽に書ける。トリック自体なぁ〜〜〜〜〜…

大鶴義丹『スプラッシュ』

せつないですなぁ。『スプラッシュ』ってたしか義丹のデビュー作だったよね。青くていいです。その青さがたまらなくせつなくしてくれちゃって、夜中に一人でスイッチ入ってしまってるんだから。 そのまま通り過ぎて行った、すれちがっただけかもしれない。で…