唐十郎『幻想劇場』 (1997 朝日新聞社)

 あん?だから何が言いたいの?っていうのが唐十郎ワールド・・・・はまる人ははまる。はまらない人にはさっぱり何がおもろいんだか。あえて言うておきますが、
 芥川賞作家・唐十郎の書く小説は面白くない。
をっとぉー、言うてしまったね(-.-;) えーっと、やっぱり唐は戯作者としての唐のほうが格段に上で、その唐と比較したら唐の小説なんて、所詮、戯作のためのノート、メモなどと言ったら、言い過ぎかい(冷汗)
 こうして12編の短編小説を読んでも、ついつい芝居にしたらどうなるとか、唐組の舞台に乗ったらどうなるとか想像してしまって、ボクがアカンのですが。しっかり状況劇場時代からの常連であるところの田口君が出てきたりして(7-8 『人見沼』)、ほっとするというか、やっぱりあの紅テントの中に吸い込まれてしまってんだよなぁ。
 ずぶずぶずぶと箱車が沼に沈んで行くなんて、その沈んだ車から赤い靴が浮き上がって、その靴の主を求めて彷徨うなってのは、もうもうお得意のパターンでしょ。そういう意味ですごく楽しめるけど、やっぱり戯曲のほうが100倍もおもしろくて、1000倍も胸きゅんするのであった。
 ちなみに初出一覧を見てみると、「アサヒグラフ」96年に1年間連載されてたらしい。白谷達也という出版写真部の人の写真のイメージがいいです。

2001001Mon