谷弘兒『怪傑蜃氣樓』

 暗黒の帝王、その名前がドクトル・アレクサンドロス・サミルノフ,,,いいねぇ、この名前。話はむちゃくちゃでござりまするが、少年王者とスーパーマンと、それからなんだ? ごちゃまぜにしたような懐かしいテイスト。『Nyogtha』は日野日出志にも通じるような、あれほど重くはない。後半の連作はとも言える小編は、、ちょっと兎丸っぽかったりもする。1作ずつ単独で見ると、ガロ系特有の「へ?」ものだけれど、一気に通しで読むと、なかなかどうして、はまる、はまる,,デ・ジャ・ビュ。『それは、六月の夕べ…』が一番気に入った。