森山大道『犬の記憶』(2001 河出書房新社)

 アサヒカメラに同名の写真エッセイとして連載されたものだけれど、記憶を焼き付けて行くことの葛藤が痛いほどよくわかる。ケルアックの『路上にて』に触発されて旅に出て写された写真はまさに点景ではなく線景。パッと見ればどこがいいんだかさっぱりわからん何気ない写真たちが、ボク自身の記憶に引火したような気がする。
 1982年だったかに出版された。元のはいまや超高値がついて買えないです。

20021218 Wed