上村一夫『菊坂ホテル』(角川書店 1985)

 竹久夢二谷崎潤一郎をモデルにはしているが、ボク的にはいまいち。上村の場合、男を中心に描くより女中心に描く方が情感が漂っていい。菊池寛芥川龍之介なども登場するけれど、大正浪漫をネタにしたからといって特筆すべきことはない。
 それとこれは何年頃の連載だったんだろ。確か後期、顔と身体のバランスが妙に崩れている気がする。古本的価値としてはあるだけど、作品そのものとしてはどうも。

20021226 Thu