上村一夫『密猟記』

 これはどこに連載してたんだろ。単行本が71年の発行だから、その前、たぶんピークを迎える前の連載だったんだろうか。絵師と言われた上村にしてはちょっと絵が荒い。上村の描く女の妖しさはまだ見出すことができなくて、それより「昭和枯れすすき」的暗さが目に付く。その後の倒錯した性愛のルーツも見受けられはするがまだ劇画的展開でチープだ。

20030101 Wed
1971 三崎書房