山本夏彦 / 久世光彦『昭和恋々』

 「次の写真を見て500字程度で思うところを記せ。」という国語の模範解答。まぁよく500字程度によくぞこれだけ織込める、さすが久世だわと思えたのは数編まで。同じようなのが20編ほども並べられると、手の内が読めてしまっておもしろくもなんともない。叙情過剰なんだよ。だいたい、二人で、あの頃にはこうだったのに、いまの時代にはなくなってしまったねぇと言うのを読んでもどうにもならないわけ。アグレッシブじゃないのね。まだ山本夏彦のパートのほうがずっとおもしろいけど。
 考えてみれば、久世68歳、山本は88歳だから、辛口じじいの繰り言とでも読んでおく。

20030205 Wed
1998 清流出版